☆今回も「夫婦の日」で割引鑑賞をした。
ちなみに世間一般は普通の平日だが、
私は土曜に学校の文化祭があったので代休だったのだ。
3時半という時刻だったので、呉の映画館「ポポロ」の中は
いつにもましてガラガラかと思いきや、
意外な事にいつもより客が多かったのでビックリ。
(と言っても私たちを含めて10人くらいだけど・・・)
夫婦らしきのは私たちと、もう1組。
後はほとんど男性が1人で鑑賞されていた。
平日の昼間は成人男性は働いてるだろう、
と言う先入観をくつがえされた。
さて映画の紹介である。
マーク・ミラーのグラフィック・ノベルを、『デイ・ウォッチ』のロシア人監督ティムール・ベクマンベトフが映画化。ごく平凡な若者がセクシーな女スナイパーの指導のもと、秘密の暗殺組織の一員として命がけの戦いに身を投じる。主演は『Mr.&Mrs.スミス』のアンジェリーナ・ジョリーと『つぐない』のジェームズ・マカヴォイ。スピンしながらカーブしてターゲットを射止める弾丸など、従来のアクション映画の常識を超えたビジュアルワールドが堪能できる。(シネマトゥデイ)
あらすじ:恋人にも捨てられ、人生にうんざりしているウェズリー(ジェームズ・マカヴォイ)。そんな彼の前に突如現れた謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)は、ウェズリーの亡き父が秘密の暗殺組織をけん引するすご腕の暗殺者だった事実を彼に知らせる。しかも父亡き今、ウェズリーは組織を継承する立場にあると言い……。(シネマトゥデイ)
(情報元:「ヤフー映画」)
例によってテキに連れられて来ただけなので予備知識はまるでない。
まず主人公の父親?が、ビルの屋上で暗殺者に狙撃され、
超人的なアクションむなしく殺されてしまう場面で、
この映画がリアリティーを放棄したSF?アクションもので
あることがわかった。

超高層ビルの屋上から跳躍して強化ガラスを突き破り、
目にも止まらぬスピードで敵を仕留める。
あんたはスーパーマンか!
その後の設定を見ても、この映画はスーパーマンとか、
スパイダーマンとかの超人ヒーローものへの
オマージュのようだった。
主人公は、普段は女性上司に嫌味を言われてばかりの
全く凡庸なサラリーマン。その上同棲している恋人は
不実な友人と不倫して、2人にバカにされている、
何とも冴えない男で、ストレスがたまるとパニック障害に
襲われるため安定剤を常用している。
ところがスーパーで買い物をしている時、
謎のハードボイルド美女が近付き、わけもわからず銃撃戦に
巻き込まれ、幼い頃家を捨てた父親が凄腕の殺し屋であったこと、
そして自分も又世界の数人しかいない驚異的な能力を秘めた
殺し屋になるべき男である事を知らされ・・・

恐らく使い古された設定で目新しい事は何もない。
一応父子の愛情とか、謎の美女との恋愛もほのめかされているが、
そんなものは形だけだ。
この映画は、あり触れた設定で繰り広げられる、
あり得ないアクションシーンの映像の迫力を楽しめば良い映画であ
る。特に冒頭シーンから「弾丸」にこだわった映像が目を引いたが、
いかにも銃に慣れた西洋の映画らしい。
主人公がパニック障害と間違うくらい集中力が高まると、
銃の弾道をカーブさせて標的を狙撃するというのは、
この映画最大のアイディアであり、映像的にも楽しめる。
お約束のような派手なカーアクションや、
殺し屋になる訓練を受ける時の血なまぐさい格闘シーン、
そしてハイライトの峡谷を列車が墜落していくシーンなど
映像的な迫力は満点で、それを楽しむだけで価値がある。
裏を返せば、それしか見所がないと言えなくもないが。
役者では、ハードボイルド美女のアンジェリーナ・ジョリーさんが
断トツで素晴らしい。

カーチェイスや暴走列車でのアクションシーンもいいが、
最後に組織の秘密を知らされた彼女が、
超人的なスナイパーアクションを見せて仲間の殺し屋を皆殺し
にし、最後の弾丸が自分の頭を貫通して倒れたシーンは白眉。
死の眠りについた彼女がぞっとする程美しくて強く印象に残った。
ハリウッドのアクション映画が大好きなテキは大興奮で、
帰りに刃物屋を通り掛かった時、「全部殺人の凶器に見えるね、」
と楽しそうに言っていた。くわばら、くわばら・・・
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