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今日の柴田淳紹介「終電」

2007年09月19日

柴田淳「一緒に帰ろう」歌詞レビュー

「一緒に帰ろう」(「オールトの雲」より)

 
それだけの月日が 僕らの中 通り過ぎて
 二人の足跡は 全てを物語ってるのに  
 


☆しばじゅんの楽曲の中では比較的印象に残らない曲である。

 付き合っている男女の、男の子視点というのは

 彼女の得意パターンであるが、

 お互い好き合っているのに煮え切らず、

 なかなか一線を越えることの出来ない男を唄った歌詞

 いやリアルであることには違いないが、当の男性からすれば、

 それを女性に唄って欲しくはないという感じはある。

 しばじゅんはこの後徐々に女の子視点に移行していく。

 それは彼女の成長を示すと共に、

 やはり女性の感性で唄った方がしっくり来ることを表している。

 
ポケットの中に潜む 僕の決意は まだ
 クッキー塗れの一大事
 全部受け止めるには まだまだ足りなくて
 「またね。」と言う君を 今夜もただ見送るだけ


☆今日こそは君を、「一緒に帰ろう」と誘おうと思い、

 緊張してポケットの中に入っていたクッキーをボロボロに握ってし 

 まった。

 いかにも初々しい男の純情を、実にうまく表現している。

 真面目で、真剣に女性との交際を考えている男性であれば、

 なおのこと慎重にならざるを得ない。

 一線を越えると言うことはそれなりの覚悟がいることで、

 逡巡する男性の気持ちはよくわかる。

 だけど、その勇気の出ない自分はただの意気地なしではないのか。

 女性の方が期待していることもわかっているのに

「何やっとんや!俺。」と別れる度に思ってるんだろうな・・・

 
君の手を引いて 一緒に歩いて行くためにあって
 この手は こうして手を振るためのものじゃないのに・・・


☆この歌を女の子視点に置き換えたのが「終電」であろう。

 あの曲の生々しさとは違い、

 歌詞もメロディーもサラッとしていて、だから印象に残らない、

 という面もある。

 やっぱり女性が男視点で唄うと、本当はもっとドロドロした薄汚い

 であろう情念が薄められてしまう感がある。

 歌詞に入れるという話ではなく、この男性が女性を誘って、

 手を握るときのドキドキ感だの、その後一緒に夜を過ごす期待と、

 それと引き替えに背負ってしまうだろう責任だの。

 そうゆうものはバックグラウンドに流れているべきものだ。

「男はみんなオオカミよ。」

 わかっているよ、男なら。

 理性を伴ったオオカミなのだ。

 
体を壊した日 いつも君がいてくれたね
 出張の帰りも いつも駅で待っててくれた   
 


☆これ、かなり濃い付き合いなんだよね。

 同棲してるの?と言いたくなるくらい。

 なのに何もしない?男って・・・ 

 それはヘタレだろう!

 と、女性からは思ってしまうに違いない。

 
「あなたに愛されてる それが私の自信。
 ねぇねぇ それだけじゃだめなの?」
 取り柄も何も無い こんな僕の隣で
 相変わらず君は 誰より幸せな顔して


☆このセリフは、いかにも女性が書いたとおぼしきもので

 男性の私にはちょっと理解が難しい。

 愛されているという自信はあるのに

 なぜあなたはそれ以上手を出して来ないの?

 という不満を表したものという理解で良いだろうか?

 さて、僕の方もその彼女の気持ちはよくわかっている。

 なのに、どうしても踏み出すことの出来ない僕は

 ついネガティブな自己否定に捕らわれてしまっている。

 取り柄もない、優柔不断なこんな僕なのに、

 どうして君はそんな幸せそうに笑っていてくれるんだ。

 
僕のこの腕は 君を守るためにあるのなら
 僕は今 君を抱きしめたい
 もう離したくないよ


☆ここの歌詞の流れはやや唐突だと思う。

 いつも「一緒に帰ろう」と一言言うことの出来なかった僕は

 結局彼女を誘い、一線を超えることが出来たのか?

 そこはあえて飛ばしたのかも知れない。

 ともあれついに彼は彼女を抱いたらしい。

 この後は余りにもベタベタだ。
 
 僕のこの声は 君の名を歌うために響いてる
 この胸は 君を想うため
 この目は 見守るため
 僕の存在は 君の生きる力になってるなら
 僕は生きてるよ 永遠に
 君の笑顔のために


☆残念ながらしばじゅんの若さが書かせた

 上辺だけのキレイな言葉の羅列に終わっている。

 正直、こんなにロマンティックな言葉を語られても

 余り感じるところがない。

 やはり踏み込みが甘いのだ。

 優柔不断な男が勇気を出して踏み出す

 男と女の一番生々しい葛藤の克服を語らないで

 いきなりこのセリフでは飛躍が過ぎるというものだ。

 このように「一緒に帰ろう」は、しばじゅんの若さ、男性視点で語る

 ことの難しさといった難点が露呈した、彼女としては凡庸な歌であ 

 り、歌詞である。

 そしてそれを悟った彼女が、この歌の世界に一歩踏み込んで答を出し

 たのが「終電」ではないだろうか。

 私はそのように解釈したい。

 柴田淳歌詞レビュー一覧はコチラ
posted by ゴルゴ40 at 01:00 | 広島 ???? | Comment(0) | TrackBack(0) | しばじゅんソング歌詞レビュー
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